■山行年月 |
2009.05.29(金) |
■天気 |
曇 |
■同行者 |
小山さん |
■山行形態 |
残雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
オピリネップ沢・尾根 |
↑ |
★コースタイム | |
自宅午前5時05分出発 | |
地点分岐等 | 時間 |
登山口 | 7:00 |
尾根取付 | 8:00 8:10 |
Co1284p | 8:50 |
肩 | 10:30 |
十勝幌尻岳 | 10:55 |
所要時間 | 3:55 |
十勝幌尻岳 | 12:05 |
肩 | 12:15 |
Co1284p | 12:35 |
尾根取付 | 13:05 13:15 |
登山口 | 14:05 |
所要時間 | 2:00 |
自宅午後3時35分到着 |
195.十勝幌尻岳(北部日高/1846.0M) | ||
尾根中腹からは残雪期登山そのもので軽快にキックステップをきる | ||
十勝幌尻岳といえば、前年(2008年)12月の新雪期に、オピリネップ沢→夏尾根ルートでアタックを試みたが、深雪ラッセルに耐えきれず途中撤退した経緯がある。それ以前では2005年4月(日帰)と2008年の正月山行(1泊2日)で北尾根から上がっているが、夏道ルートでピークを極めたのは2003年のGWまで遡らなければならない。今回は、今年3月の天狗岳以来となる小山さんと一緒なのでなんとなく心強い。 シリオの登山靴 この時期の林道は、残雪や崩落などで通行止めになることも珍しくないが、戸蔦別・勝幌林道は何の支障もなく登山口まで入ることが出来た。林道終点からいつもの木橋を2度渡り登山は本格的にスタートする。雪融水で水量を増すオピリネップの流れは、ゴウゴウたる川音とも相まって暴れ川の様相を呈している。オピリネップ川左岸の山道も新緑に覆われ、微かに匂う山の香りも新鮮だ。ただ、前日の雨露を纏う草木がパンツを否応なしに濡らしていく。レインウエアを着るべきなのだろうが、面倒なのと、その内乾くとの読みからそのまま歩く。曇空だが、気温は高く汗が噴き出す。小山さんなどは半袖行動である。ピッタリ60分で夏尾根取付に着く。今回履いた登山靴はSIRIO(シリオ)のもの。靴内部の爪先あたりに小さな突起があり足が痛いので履くのをやめていたが、試しに履いてみるとなんでもない。ソールも貼り替えたばかりで勿体ないので今回、久々の実戦投入である。靴紐を少し緩めに締めてみたのだが、今のところ問題なく快調である。 ずぶ濡れパンツ 小休止の後、いよいよ尾根の急登に突入する。初めは広い尾根斜面を大きくジグを切って上がる。ようやく乾いたパンツが登山道を覆う笹で再び濡れ、遂には靴の中まで湿っぽくなってくる。やっぱりレインウエアだと後悔しつつも、ここに至っては濡れるがままである。Co1150付近から残雪が現れ、Co1200になると登山道はほぼ雪の下になる。中途半端に登山道が出ていると探したりもするが、完全に隠れるとその必要はなくなる。キックステップを切って尾根を直登して行く。必然的にペースもアップし、取付から僅か60分で500メートル近くを上がる。ガスは濃いが暗くはない。切れる気配もあるので、上では大雲海が見られるかもしれない、そんなことを小山さんと話しながらの雪上登高が続く。肩まで上がると、突然ガスが切れだし、青い空と頂上から東ピークにかけての視界が広がる。内心ヤッタ!と叫びつつ、東側の雪庇を上がる。尾根上の残雪も多かったが、頂稜の雪庇も意外としっかりしている。今季はやはり雪が多かったようだ。この分だと、登山道の雪が消えるのは来月末くらいになるのではないだろうか。 勝幌初の大雲海 肩から25分で高みに立つが、ゆっくり歩いたつもりも登山口から3時間55分という省エネ(?)登山だった。頂上は、予想通りの大雲海で、西隣の札内岳と、主稜線上に連なる高峰群が僅かに頭を覗かせる。エサオマン、幌尻、戸蔦別、そして、1967峰である。が、直ぐに雲に隠れてしまう。風もなく、ポカポカ陽気、また見られるだろうとラーメンを食べながらのんびり待つことにする。勝幌では眺望を得れないことなど今までなかったのだが、今回は違った。1時間以上も粘ったが状況は悪くなるばかりだ。結局、12時過ぎに下山を始める。肩までは夏道を降りるが、こちらはしっかり出ていた。肩で枝に付けておいたコースサインが見当たらない。腰の高さ程度の枝のはずが、頭上高くに発見する。登高時のトレースも残り、雪が溶けた訳でもなく不思議に思っていたら、何のことはない。枝が雪の重みから解放されたようだ。下降するにつれガスは濃くなり、薄暗くさえなってくる。小山さんが頻繁に笛を鳴らす。羆がガスの中からのっそりと現れそうな雰囲気なのである。 一瞬ルートロス トレースに沿って下降を続けるが、雪が切れ出すあたりで一瞬、ルートを見失う。漫然と下降していたせいで、周囲の笹斜面を見回すが登山道は見つからない。止む無くGPSで現在地を確認し、地形図で下降方向を特定する。コンパスの指示に従い降りていくと登山道に出会う。10メートルと離れていないのだが、笹に覆われてしまうと、直ぐ側にあっても見つからないものだ。1時間で尾根取付まで降りてしまう。靴の中はグチャグチャだが、足の痛みはない。急斜面の下降が続いたので、足が爪先寄りになり、突起にあたることを心配したが杞憂に終わる。日帰りの夏道登山ならこれでいけそうで、儲かった気分である。ここからはクールダウンよろしく、花を愛でたり、オピリネップの流れを写真におさめたりしながらの歩く。小山さんは美味しそうなウドを見つけ持ち帰る。山菜大好き人間にとっては、今の時期、山は宝庫のようである。沢登シーズンまでの充電期間はどこへやら。春から初夏への山もまた楽しさ満載であることを実感し帰路に着く。 帰宅後、往路のGPSトラックをみて少々ガックリしてしまった。尾根取付までが極端に大きい誤差を生じているのだ。精度の高さに全幅の信頼を寄せていただけに落胆は否めない。改めて、アナログ的な地図読みの重要性を認識したものである。ま、機械にトラブルはつきものだし、復路の正確なトラックもあるので、許容範囲内とは受け止めているのだが‥。 |