コースタイム | |
地点分岐等 | 時間 |
日勝峠3合目 | 6:50 |
Co1260P | 10:10 |
1458峰 | 11:05 |
撤退点 | 11:20 |
所要時間 | 4:30 |
撤退点 | 11:20 |
1458峰 | 11:30 |
Co1100P | 12:10 12:30 |
日勝峠3合目 | 13:20 |
所要時間 | 2:00 |
248.1458峰(北日高 /1458M) | ||
普通なら迷わずキャンセルも稜線1458峰まで上がれば御の字と自画自賛 | ||
新ルート開拓か 積雪期におけるペケレベツ岳へのルートとしては、@日勝峠から1445峰の東肩を経由するものと、A除雪ステーション側が登山口となる夏道コースが一般的だが、2月末のペケレベツ岳山行の際、東側(十勝側)から尾根を辿って主稜線に上がりペケレベツに至るルートも魅力的と感じていた。私としては、新ルート発見にも似た密かな喜びを覚えていたのだが、HYMLの仲間がすでにこのルートを上がっているという情報を得る。嬉しいような悔しいような、複雑な思いが交錯するが、山はそんな些細なことを一笑に付すだろう。4月の山行予定を急遽繰り上げ、山に向かう。登山口は、日勝峠清水側3合目付近で、日勝第一展望台手前1.4キロほどの所の林道入口である。登山者のためとも思えないが、ここは常に除雪されていて当然のように使わせていただく。山には地鳴りのような風音が響き、木々は大きく揺れ雪も舞っている。 天気回復を期待 天気図から強風は予想していたものの、雪とガスは予想外である。普通なら迷わずキャンセルするところだが、すこし様子を見ることにする。「入山してみると案外穏やかだった」というケースはままあること。加えて、天気予報は回復傾向を伝えているので、それを期待し出発することにする。コンパスを北東尾根Co852Pにセットし、樹林帯を抜け、なだらかな丘陵を越えるとヌプチミップ川に行きつく。スノーブリッジを利用して対岸に渡り、急斜面を一登りすると、吹雪の向こうに目的の北東尾根が見えてくる。樹木の生えていない吹きさらしの平坦地をCo852Pをショートカットし、その先の尾根合流点Co1100Pを目指す。尾根の背でまともに風を受けるよりは沢筋を上がった方が体力温存になるとの判断である。勿論、雪崩リスクの排除が前提となるが‥。Co970P付近で沢筋を離れ尾根北側斜面に取付く。樹木はそれほど混んでおらず雪質もまあまあだが、所々笹が出ていたりする。 何処から撤退か 尾根の背は意外と雪深く、南側の斜面などはスキー向きの疎林で驚いてしまう。Co1100P付近は傾斜もあり、東側には雪庇が出来ていた。それが崩れた跡もあり、いやらしいので南側から回り込むように合流点に上がる。ここからは傾斜は緩むが、吹雪模様は激しさを増す。頭の中は、登頂のイメージなどすっかり抜け落ち、どこから撤退するかで占められている。雪庇も大きくなり、それに比例するかのようにシュカプラも成長している。視界は50メートルくらいしかないが、救いは、尾根形状が明瞭なのと背丈のある樹林帯が続いていることである。注意さえしていれば、ルートミスする可能性は小さい。と、突然目の前に傾斜のある尾根筋が現れる。Co1260Pへの登りである。「とりあえずあそこまで行こう」と心を決め進むが、変化に富んだシュカプラが登高ペースを鈍らせる。復路のことを思うとゾッとする。なんとかCo1260Pに辿りつく。 冷静な判断欠落 傾斜がやや緩やかになるが、吹雪は収まらず、時折、突風で飛ばされそうになる。惰性というか、魔法にでもかかったように先を目指す。冷静な判断が出来ていない自分を感じる。アクシデントに見舞われる時は、多分こんな時なのだろう。天気さえよければ、主稜線はもとより、目指すペケレベツも右手に望めるはずだが、全く何も見えない。傾斜が再び強まり、主稜線Co1458Pに迫っていることが分かる。念のためGPSで確認してみると間違いない。4時間以上もかかってようやくCo1458Pに辿りつく。この悪条件下で「1458まで上がれれば御の字」と思っていたが、ここまで来てしまうと先へ行きたくなるのが人情というものか。偵察を兼ねて、主稜線を少しだけ北上してみる。低木が密集する緩やかな下りを10分ほど行くが、どの道ピークまで行く気は全くないので直ぐに引き返す。せめて眺望だけでもあれば行くのだが‥。 ボーゲン下降も 天気さえよければ、登頂後は夏道尾根から沢を滑り降りるというプランだったが、それは次回のお楽しみとなってしまう。Co1458Pに付けたコースサインを回収し下山の途に着く。とにかく、Co1100Pまでは下りといえども全く気が抜けない。酷いシュカプラでボーゲン下降さえままならないのである。狭い尾根、時に雪庇を使い、時に北側斜面を使う。背直下南側斜面を降りるのが一番だが、やはり、雪庇の崩れとか雪崩が怖くてその選択肢はない。50分ほどかけてなんとかCo1100Pまで降りる。風のない南斜面の巨木側でようやくランチにありつく。すでに12時を回っているが、天気は回復の兆しすら見えない。途中撤退は正解だったようである。ここからは難しいシーンはなく、僅かだがスキー滑降も楽しめる。ただ、平坦地や特徴のない樹林帯もあるのでアバウトなルート選択は許されない。往路のトレースは雪と風で消されてしまっているので、GPSで現在地を確認しコンパスを切ることを繰り返す。 薄らとピークが いつも思うのだが、人間の感覚ほど当てにならないものはないし、往路と復路の景観の違いも痛感させられる。往路でも、時々は辿りしルート方向を振り返り、景観のイメージを把握しておくことが大事である。時には写真を撮っておくのもいい。今回もあとで気がついたのだが、北東尾根Co852Pを経由して尾根筋を降りると林道に出会い、それを辿れば国道に行きつく。今回入山した地点の300メートルほど手前だが、車1台を止められるほどの除雪スペースがあったような気がする。このルートが最も分かりやすいかもしれない。 3合目の車まで戻る頃には、ようやく日射しも出てきて近くの尾根や斜面の様子が分かるようになってきた。皮肉といえばそれまでだが、峠を降りるとピークも薄らと見えるではないか。「こんな時もあるさ」と自分に言い聞かせ、いつもの温泉(芽室川北温泉)に向かう。 |
■山行年月 |
2010.03.14(日) |
■天気 |
吹雪 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
積雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
北東尾根 |
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