■山行年月 |
2011.12.03(土) |
■天気 |
晴後曇 |
■同行者 |
naokoさん |
■山行形態 |
積雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
層雲峡温泉(RW) |
↑ |
コースタイム | |
自宅午前5時40分出発 | |
リフト終点 | 9:35 |
黒岳 | 11:35 |
所要時間 | 2:00 |
黒岳 | 12:05 |
リフト終点 | 12:30 13:15 |
八合目 | 13:55 |
RWくろだけ駅 | 14:10 |
所要時間 | 2:05 (45) |
自宅午後05時45分到着 |
310.黒岳北斜面(表大雪/1984.3M) | ||
今シーズンも山スキーは黒岳北斜面から。順調なスタートに安堵感 | ||
新相棒ハリアー 沢シーズンの終了を待っていたかのように山用の愛車RAV4Lがトラブルに見舞われてしまった。給油口付近からの燃料漏れである。平成6年式で走行距離25万キロ超とくれば、いつどこが故障しても不思議ではないが、燃料漏れは想定外だった。愛着もあり、直して乗ろうかとも考えたが、12月は車検だし、オイル減りも段々酷くなってきていたので、思い切って乗り換えることを決める。契約から納車まで3週間弱、流石に代車では山奥にも行けず2カ月近くも山から遠ざかってしまった。もっとも、この時期は山も端境期。充電・休養期間と思えばさほどのストレスとはならない。今季も冬山は黒岳から。11月末になりようやくスキー場もオープンし、待ちきれないという感じで12月の最初の週末にプランを組む。勿論、車は新しい相棒のハリアーで、中古ながらRAV4Lよりは高級感が漂う。途中で、今年、沢を2度ご一緒しているnaokoさんを拾い層雲峡温泉に向かう。冠雪したウペペやニペソツを眺めると冬山シーズンインを実感する。三国峠を越えると緑岳と白雲岳、屏風岳などが視界に入ってくる。こちらも白い。道路は所々アイスバーンとなるが、RAV4に比べると車重もあり、ホイールベース、トレッドともに大きいので安定性は格段にいい。ただ、意外と非力だ。 贅沢はいえない いつもは閑散としているRW駅舎駐車場も誘導員がいるほどの賑わいを見せている。装備を整えロープウェイとリフトを乗り継ぎ七合目まで上がる。そそくさとシールを付け、9時半過ぎに登行を開始する。先行者もいてトレースは明瞭だが、傾斜が強いところなどはスリップして上がれない。クライミングサポートを最大にしてみるがそれほどの効果はない。そんなところは、適当にラッセルして回避トレースを刻む。積雪量は八合目付近で1メートルほどで、期待したほど多くはないが、この時期ゆえに贅沢はいえない。雪質もパウダーとはほど遠く、重めのそれである。ここ数日間のやや高めの気温のせいだろう。久々なので身体の動きは重い。何度も小休止を入れながらの登行となる。浅い沢形をトラバース気味に越えていくとブッシュ類から解放され、マネキ岩も近づいてくる。背後の北大雪の山々も一望のものとなり、山座固定しながらnaokoさんに説明する。ニセイカウシの大槍やアンギュラスなどは雪を纏うことで一層鋭さを増した印象である。 期待と不安交錯 大きくジグを切りながら登っていくと、早くも先行者達が滑り降りてくる。見るからに、重い雪に苦しんでいるようで、彼らの歓声も長続きはしない。私自身、早く滑りたいという気持と、巧く滑れるだろうかという不安が交錯する。見覚えのある山頂標識が見えだすあたりで、先行するnaokoさんにようやく追いつく。気を付けていたつもりだが不意の雉撃ちで後れをとっていた。彼女のスキーは幅広のファットタイプ。シールも板全面に密着するタイプで、この日がおろしたてとのこと。スリップもなく、使用感は良さそうだ。私のシールといえば、凡用タイプなので、板両端の滑走面が露出するほど細い。なので、エッジ付近を使用したりするとスリップしてしまう。山スキー装備一式はほとんど8年ほど前に購入したもの。そろそろ替え時かなとも思ったりする。歩き始めてから2時間で黒岳山頂に上る。ほとんど風もなく、気温もさほど低くはない(と言っても、氷点下7〜8度はありそうだが)。薄日はさすものの、基本的には高曇で眺望は全く良い。遠く天塩山地の山々は白さが際立つが、御鉢を囲む高山は岩肌が透けて見えている。まだまだ新雪期の景観である。予報では、夕方から全道的に大荒れの天気とのこと。さながら、嵐の前の静けさといった状況である。 重い雪と濃い藪 例年なら、監視所の側で強風を避けて休むか、直ぐに滑り降りるのだが、この日は、祠の側でまったりできるほどである。naokoさんからブ○○ディ入りの紅茶をいただく。身体の中に暖かさがジワジワと広がっていく。30分ほど休んだ後、滑降を開始する。予想通り雪は重くスキー操作が難しい。バランスを維持しながらターンするのが精一杯で、シャープさもスピードもない。ま、これはもともとないのだが‥(笑)。姿勢も悪く、他から見ると変な滑りになっているに違いない。1880P付近まで直線的に降りて、そこからは西向きにルートを取る。1750P前後の藪が濃くて、とても滑りを楽しむどころではない。naokoさんも藪脱出に苦労している。それでも、八合目標識付近まで降りると、藪はかなり薄くなり、少しだけ滑りを楽しむことが出来る。私がコメントするのはおこがましいが、naokoさんの滑りには柔らかさがある。彼女曰く「登りは強いが下りは弱い」は全く控え目な表現というべきだろう。30分弱で七合目リフト終点まで滑り降り、スキーコース脇でランチタイム。スキー板とレジャーシートで作った即席ベンチがnaokoさんに好評だった。 難行圧雪コース 後半、私は荷をデポして八合目まで登り返してもう一本滑り、naokoさんはスキーコースで楽しむ。14時過ぎにロープウェイ駅に戻るが、圧雪されたコースは足腰へのダメージが大きい。コース途中で何度も休む有様で、我ながら情けない。が、順調にシーズンイン出来たという安堵感には包まれていた。 黒岳スキー場はコース数、スロープ長、標高差等、どの要素も平凡で、正直魅力に欠けるが、天然雪と開設時期には大きなアドバンテージを持つ。何より、ロケーションは他のそれを圧倒する。それだけに、年々遅くなるオープン時期は、自称山スキーヤーにとってもやきもきさせられる。地球温暖化とか自然環境の変化などを声高に叫ぶつもりは全くないが、心底、冬は冬らしく、夏は夏らしくあってほしいと願わずにはいられない。 下山を終える頃には、ニセイカウシは雲に隠れてしまった。天気は予報通り確実に悪化しているようで、いい時に登らせてもらったことに感謝し温泉街を後にする。十勝に戻ると、そこは待望の雪景色と化していた。 |