■山行年月 |
2013.02.09(土) |
■天気 |
晴時々曇 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
積雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
南東尾根 |
↑ |
コースタイム | |
自宅午前4時05分出発 | |
国道側入山口 | 6:40 |
Co530尾根取付 | 8:10 |
Co858P | 10:15 |
落合岳 | 11:45 |
所要時間 | 5:05 |
落合岳 | 12:00 |
Co530尾根取付 | 12:40 |
国道側入山口 | 13:55 |
所要時間 | 1:55 |
自宅午後05時00分到着 |
353.落合岳(北日高/1166M) | ||
山仲間の足跡辿ってマイナールートから巨大アンテナ林立のピークへ | ||
捲土重来の機会 落合岳は、スキーリゾートとして人気のトマム山の北に位置している。ルウオマンソラプチ川(空知川の源流)の支流「金の沢川」を挟んで対峙する関係だが、スキー客で賑うトマム山とは対照的に、静寂に支配された山域である。但し、東西に長い頂稜には巨大なアンテナ群が林立し、北を走る国道38号線からもその異様を望むことが出来る。私自身、昨年2月末に北尾根からアタックを試みたが、悪天で手前の816ポコから引き返している。大袈裟に表現すると、今回は捲土重来を期すべく山行である。時間的には昨年の北尾根ルートが短いと思われるが、入山口付近の駐車スペース確保が難しいので南東尾根からのそれに決める。ルートは金の沢川沿いに伸びる金の沢林道で、南富良野町落合地区から道道1117号をトマム方向に6キロほど走ると右手に入口が見えてくる。道路を挟んで真向かいに車2〜3台分止められる除雪スペースがあるではないか。入林者専用とも思えないが、この際、有難く車を止めさせてもらう。装備を整え7時前に歩き始める。 尾根取付で難儀 狩勝峠では風が吹き荒れていたが、沢中はほとんど無風で日射しもある。前々日の降雪で最初から20センチ〜30センチラッセルとなる。サラサラ雪なら苦にもならないが、冷え込みが弱く新雪といえどもやや重い。それでも、久々の初コースなのでテンションは高い。目を凝らして雪面を見ると、微かにスキートレースが浮かび上がる。数日前に山仲間のoginoさんが入っているのでおそらく彼のものだろう。こんなマイナールートに目を付けるのは彼ならではある。平坦な林道は1キロほど進むと右岸から左岸に移り、スタートして90分でようやくCo530二股に到着する。金の沢右股林道からスノーブリッジを使って対岸に渡るが、付近は急斜面ばかりで取付くのに躊躇する。高さはせいぜい20メートルくらいなので、無理矢理ジグを切って尾根に上がる。ガリガリバーンだったらアイゼン、ピッケルの出番である。南東尾根のほぼ突端、コンパスをセットし尾根の背を忠実に辿る。針広混合林だが密度はそれほど濃くない。尾根幅は広く緩い傾斜が続く。 端正なトマム山 Co600Pでは左手樹間からトマム山が遠望できるようになり、白い端正な山容に暫し目を奪われる。尾根上でも風はなく、アウターなしの行動が続くが、Co700あたりで前方に真白な雪雲が湧きだしてくる。不安が過るも、30分ほど上がると雪雲は消失する。変ってという訳でもないが、後方左には狩勝山が現れる。こちらも中々容が良い。林道歩きで予想以上に消耗したこともあり時間が心配だったが、ラッセルが比較的浅かったので、尾根に上がってからは時間/200メートルの登高ペースを確保できて安堵する。Co858Pまで上がると、背後視界にはオダッシュ山や佐幌岳が加わる。北日高で山スキーといえば必ず名が上がる山々である。そして、前方に目をやるとエゾ松の奥に落合岳のピークが見えてくる。真白な高みの上に構造物が鎮座している。何となくミスマッチのような気もするが、目印としてはこれ以上のものはない。尾根形状も次第に顕著となり、特に、北側の展望が開けてくる。落合岳の沢川を挟む対岸の北東尾根も白い魅力的な斜面が続く。 近くて遠い頂上 この辺り、針葉樹は姿を消し、ダケカンバを主体とする灌木に植生は変る。樹木は疎らとなり、白い斜面は徐々に傾斜を増してくる。ペースが落ちている訳ではないのだが、頂上は直ぐそこのように見えても中々近づかない。ここは忍耐あるのみと自分に言い聞かせる。尾根形状が斜面に吸収されると、いよいよ頂上への急登が始まる。直下の標高差150メートルほどは地形図からは読み切れない急斜面で、見た目は頂上丘といった印象である。流石に風もあるので、アウターを着込み、サングラスの代わりにゴーグルをする。例によって、カンバの側にザックをデポし空身で頂上に向かう。斜面中央には灌木が帯のような模様を作り出し、先ずはそこを目指して大きくジグを切る。南側のトマム山はどんよりとした曇り空に寒々とした山肌を晒し、トマム山東尾根Co762コルの奥にはトマムリゾートの施設が望めるようになる。完全に斜面に吸収された道路を越えると、頂上は指呼の距離となる。やや南側から回り込み、スタートから5時間かけて頂上に立つ。 スピード滑降は 巨大アンテナには雪が襞のように張り付いて厳しい風雪を物語る。頂稜西側には似たようなアンテナが何基も並び、電波中継基地としての落合岳の優位性を示している。反時計回りに連なるトマム山までの山並に目を向ける。時間的にもう少し早ければ、そして、体力的に余裕があれば足を伸ばしてみたいが、それは叶わぬ夢というものであろう。前述したoginoさんは、日帰りでトマム山東尾根末端まで踏破したのだから、超人的な強さを備えているというほかない。東側に目をやると、オダッシュ山の手前には広大な「富良野広域串内牧場」が遠望できるが、冬場はそこへ至る道路さえ閉じられている。下りの楽しみは、勿論、スキーだが、傾斜が平均的になだらかなので、スピード滑降を好む向きには不評を買うだろう。シールこそ必要ないが、僅かな登り返しやストックで漕ぐシーンもある。それ故、初心者には安心して楽しめる尾根と言えそうである。途中でお気に入りのニット帽を落とすハプニングもあり、40分かけて尾根取付まで降りる。林道はトレースも明瞭なので、ノンシール、ヒールフリーで突破できると思ったが、あまりに平坦で全区間シール装着となった。鹿達の活動も活発で、そこかしこに足跡がある。彼らの警戒の鳴き声が響く中を入山口へ急ぐ。 冬に訪れてこそ 無雪期なら、幾寅峠から1時間ほどで頂上に立つことが出来るが、その道も冬期間は通行止めとなり遠い山となる。積雪期に訪れてこそ意味のある山と言えそうである。ちなみに、落合岳への時間的な最短ルートは、トマム山までスキー場のゴンドラで上がり、そこから尾根を辿って落合岳に至るものであろう。勿論、スキー場の許可が必要と思われるが、この場合、復路は落合岳南斜面を滑り降り、トマム山東尾根を登り返してゲレンデ滑降で締め括るのが美味しそうだ。車の回しが可能なら、金の沢林道を使って道道まで出るという方法もあるが、この林道は、前述した通り、下りといえども消耗するのでお勧めはできない。私自身はこういった形態(ゴンドラ利用等)は矜持に反するので選択することはない。但し、今のところ(笑)。 |