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樹林帯から海別 森林限界から
染まる海別岳道 北尾根から朝日
先行する登山者 辿りし尾根方向
Co1230壁斜面 スキーデポ地
迫力の大槍 雪煙上がる尾根
ポコと本峰 西尾根方向
後続の登山者 ポコ手前
ポコの段差 迫る山頂
山頂直下の壁 北尾根と海別
ポコの登山者 東斜里岳
1508峰と南斜里 流氷のオホーツク
海別岳 新道尾根
復路の樹林帯 復路の樹林帯
スノモ街道 GPSトラック
387.斜里岳(知床山域/1535.8M)
3度目の遠征はセオリー無視の超早立登山敢行で北西尾根から知床の弧峰へ
気分は夜間登山 JR清里駅での車中泊は午前2時に起床。コンビニで買い物を済ませ登山口に向かう。前日の下調べがなかったら右往左往するに違いない。豊里地区の入山口には前日もあった車が止められている。登山者のものだろうか。近くの民家の犬が吠えるのでそそくさと準備し3時過ぎに漆黒の闇に飛び出す。本来なら1泊2日のルートを日帰するのだから通常のタイムプランではおぼつかない。コンパスをほぼ真南の夏道「玉石沢C登山口」にセットするが、同方向に伸びるスノーシューとスキーのトレースがあるので拝借する。直ぐの金網フェンスを越えて樹林帯に突入する。コンパスでルート確認をしながら、ヘッデンの灯が照らし出す範囲を見つめて淡々と歩を進める。雪は比較的締まっており、ラッセルするにしても消耗は少ないが、トレースがあるのとないのでは大違い。快調なペースで、2本目の林道と交差するCo450Pの夏道登山口まで70分弱でカバーする。見上げると満天の星空、背後には斜里の街灯が輝く。気分は「夜間登山」といった趣である。
森林限界の先に Co500P付近で闇夜に浮かび上がるテントを見る。こぼれる朱色の灯。おそらく、中ではその主がアタックの準備中だろう。驚かせてはいけないので静かに通り過ぎる。この辺りから尾根は緩やかに傾斜を増し、比例するかのように樹木の密度は疎となる。依然としてトレースは先に伸び、斜里岳を目指していることは疑いようもない状況になる。雪は柔らかく深いので、スノーシューではハードラッセルを強いられたことだろう。幸運に感謝しないではいられない。幅広の尾根形状だが、東側・玉石沢への落ち込みは次第に顕著となり、北尾根が東側の視界を占めるようになる。Co700を過ぎると遠く海別岳が赤く染まりだす。そして、Co800Pで突然という感じで森林限界を抜ける。前方には、右に、収斂していく北西尾根、左に北尾根大槍を従えた堂々たる斜里岳北壁が望めるようになる。絵的な迫力は勿論のこと、現れ方にも充分すぎるインパクトがあり、暫し見惚れていたものだ。直後に後続の登山者が登場し、ペースが上がらぬ私をパスしていく。
寒風吹きすさぶ 寒風吹きすさぶ尾根上は細くはないが、雪が吹きだまっていたり、カリカリ状態だったりして、雪面が安定していない。シールの調子も悪くて、スキーエッジで2度もシールを摩擦し、糊の粘着力回復を試みたほどだった。それに、とにかく寒い。ベストタイプのダウンを中に着込んで丁度いいくらいである。底冷えする景観だったが、北尾根から太陽が顔を出すと、山は光と暖かさに包まれる。その荘厳な儀式に強烈なエネルギーを感じずにはいられない。平坦な尾根だったが、Co1220Pで突如として壁のごとく急斜面に行きつく。森林限界からここまでがやたら長く感じたが、考えてみると標高差が400メートル以上もあるのだから当然か。流石にもうスキー登行は無理なのでアイゼン・ピッケル登行に切り替え斜面に取付くが、雪が柔らかく何度も踏み抜いてしまう。ストックなら補助的な浮力も得られるが、如何せんピッケルでは役に立たない。ある程度の高さまで上がれば雪はクラストすると見込んで耐える時間が続く。
難所の段差突破 高度にして70〜80メートルも上がると傾斜も緩み、予想通り雪が固くなる。歩きやすくはなるが、高度感は一気に増してくる。深い玉石沢源頭を挟んで対峙する北尾根、とりわけ、大槍の鋭さは特筆ものである。辿りし方向に目をやれば、広大な樹林帯の向うに未だ雪深い田園地帯が広がり、最奥に流氷がひしめき合うオホーツクの大海原が白く弧を描く。東奥の見慣れたはずの海別岳も一際白く感じる。私自身のテンションも自ずと上がる。前方右手には西尾根が伸び、Co1420で北西尾根と合流する。尾根そのものの険しさは北西尾根がやや上だが、アプローチからの長さでは西尾根に軍配が上がるだろう。感心している暇もなく、直ぐに1メートルほどの段差に遭遇する。左下はスパッと切れ落ち、右は急斜面の難所である。岩場にワイヤーが張られているので「ワイヤーポコ」というらしい。ここは飛び降りたとかロープをフィクッスしたとか聞くが、私はお尻から滑り降りた。岩に固定したワイヤーが僅かに顔を出している。
超順調な登頂劇 沢登りで二ノ沢からここに上ったことを思い出す(2011年9月)。眼前には圧巻の斜里岳北壁が迫る。エビの尻尾だらけの山肌が険しい環境を物語る。アイゼンを心地良く軋ませ、慎重に直下の細尾根を通過すると、残すはピークへの急斜面だけである。おおむね、抉れた夏道沿いにルートをとり、たおやかなピークに飛び出す。スタートから6時間、あまりにも順調過ぎる登頂劇だった。途中では風と寒さに苦しめられたが、頂上はほとんど無風で穏やかである。大眺望にピークから西側の景観も加わる。シャープな東斜里岳と馬ノ背ピーク、小振りながら鋭い南斜里岳、名こそないがどっしりとした1508峰。個性豊かなピーク達が競演する複雑な頂上部を麓から見て想像できようか。斜里岳山魁と呼ぶに相応しい山容と言えるだろう。これまで、南斜里岳(2010年)と東斜里岳(2013年)から本峰を眺めているが、その時は近づきがたい高さと距離感を感じていた。自分がその場所に確かに身を置いているのだ。高揚感に包まれない方が不思議である。
写真撮りまくり 前日登った藻琴山と麓の屈斜路湖、摩周湖と摩周岳や西別岳なども明瞭に視界に捉える事が出来る。そして、標津山魁も中々のボリューム感を醸し出す。その奥には太平洋が鈍く輝き、斜里岳が知床半島の付け根に位置しているという事実を目視確認できる。私に遅れること20分ほどだろうか、前述の登山者が登頂を果たす。この時期の斜里岳に何度も足を運んでいるという彼曰く、「スキーも楽しめて北西尾根が一番」と。例のテントの主で、良く聞くと十勝の中札内からの遠征だという。私同様、斜里岳大好き人間がここにもいた。頂上滞在は久々に40分ほどの大休止となったが、景観に酔いしれ写真の撮りまくりだった(笑)。G1Xはバッテリーの消耗も早く、予備電池購入を考えなければ‥。下降はスキーデポ地までつまらないミスをしないように心掛ける。深刻な事故に直結する可能性が高いからだ。ワイヤーポコの段差はピッケルで身体を持ち上げる。40分近い稜線散歩は緊張したが、悲願成就後だけに心地良い疲労感を感じたものである。
余裕の時差ボケ 後はスキーを楽しむだけのはずが、樹林帯までは雪面変化が激しく、怖々の滑りを強いられる。僅かに雪質が良さそうな尾根の西側斜面に逃げながら高度を下げる。振り返ると、尾根を下る登山者の姿。白い稜線に赤いウエアーが良く映えている。スキー下降序盤はやや自信喪失気味だったが、中盤の樹林帯は気分よく滑りを楽しむことが出来た。夏道登山口付近までの2キロほどは垂涎の林間コースと言えるだろう。但し、そこから入山口までの終盤は樹木が混み合い、雪質も固めで滑りを楽しむにはほど遠い。樹木を避けるのが精一杯で、似たような景色がいつまでも続くこともあり、うっかりするとミスルートしてしまう。かく言う私も、ラストで少しだけ最短距離を外してしまった。それでも、正午前に入山口に戻ることが出来た。何か、時差ボケしたような感覚にとらわれるが、
これも早立ちの余裕といえるだろう。セオリーにも反するし、毎回、こういうことはできないが、条件が揃えば、再び「超早立山行」を選択することはあると思う。
相性の良さは◎ 今回は、登り8時間ほどを見込んでいたが、トレースがあり、ほぼノンラッセルだったことで登行時間が大幅に圧縮された。やはり、冬期登山は天気と雪の状態が山行の成否を決定づけるようだ。なお、このルートは冒頭記したように山中1泊プランが妥当であり、出来れば森林限界付近までテントを担ぎあげたい(テント設営跡あり)。日の出とともにピークアタックすれば、アルペン的雰囲気を満喫しながら登頂出来るに違いない。ただ、Co1220Pからピークまでは尾根が細くなるので、強風時など細心の注意が必要だ。これで冬期の斜里岳遠征は3度目だが、何れも好天に恵まれ、目的のピークに立つことが出来た。相性の良い山があるとしたら、斜里岳はその典型であろう。リニューアルした道の駅「パパスランドさっつる」で登頂湯(笑)をいただき帰路につく。すでに斜里岳は幸運な登山者に別れを告げ、雲の中に隠れていた。
■山行年月
2014.03.03(月)
■天気
■同行者
単独
■山行形態
積雪期登山
■コース:往路/帰路
北西尾根
コースタイム
豊里・林道入口 3:15
玉石沢登山口 4:25
Co800森林限界 5:40
スキーデポ地 7:25
斜里岳 9:15
所要時間 6:00
斜里岳 9:50
スキーデポ地 10:25
Co622P 11:15
豊里・林道入口 11:55
所要時間 2:05