コースタイム | |
白銀荘 | 9:15 |
Co1314P | 10:10 |
稜線 | 11:40 |
三段山 | 11:55 |
所要時間 | 2:40 |
三段山 | 12:05 |
一段目上 | 12:50 |
白銀荘 | 13:15 |
所要時間 | 1:10 |
400.三段山(十勝連峰/1748M) | ||
登頂率50パーセントに戻すも森林限界を越えた山の表情は流石に厳しい | ||
自信抱き聖地へ 記念すべき400本目の山行記は十勝連峰の三段山である。正月はテント担いで北日高へでもと考えていたが、どうも腰が重い。そんな折、上川地方の天気予報が好転する。原始が原から富良野岳というプランが頭を過るも、結局、定番ともいうべき三段山&富良野岳(ジャイアント尾根)「スキー三昧」プランに落ち着く。安直なそれを選択するあたりは加齢のせいだろうか‥。前日、日勝ピーク北斜面で4本ほど滑って軽く足慣らし。積雪量、雪質ともに良好で、自分のスキーレベルがそれほど落ちていないことを確認。密かな自信を抱き、山スキーの聖地へ向け車を走らせる。遠征1日目は三段山。登山口の白銀荘は平穏で清々しさに満ち、いかにもお正月の雰囲気である。準備を整え9時15分にスタートする。この時間でも登頂可能なのが嬉しい。高速道路並みのトレースを何も考えずに辿る。南西コースを上がる先行パーティを右手に見ながら一段目に取付く。深いトレースが複雑に交差する斜面だが、新雪がふんわりと積り、優しげな斜面に映る。 結晶のままの雪 体感的には風もなくアウター不要の暖かさだが、気温そのものは低く、結晶のままの新雪はキラキラと輝いている。大きくジグを3回ほど切ると一段目を上がりきる。振り返ると、雪化粧した樹林帯の中にひっそりと白銀荘が佇み、そこに伸びる白いスロープ。奥には富良野盆地が横たわり、見上げれば青い空‥。何度見ても絵になるロケーションだ。針葉樹の巨木を縫うように進んでいくと直ぐに二段目となり、ここからはカンバが主役となる。その白さに見とれながら一汗かくと二段目の上となり、前方が大きく開ける。ルート上を先行するパーティや、右側斜面で小休止中の登山者が黒い豆粒のように見えるが、入山者は意外と少なそうだ。僅かだが風が出てきて、空と山との区別も曖昧になってくる。左手の前十勝もボンヤリと浮かんでいる感じだ。今日は楽にピークまで上がれると踏んでいたが、私自身の登頂率40パーセントの山だけに、そう甘くはなさそうだ。一息入れてアウターを着込み、フェイスマスクをつける。自ずと気合が入る。 廊下から別世界 南西コースを上がってきたパーティ(前述)の直後につけ、三段目を登りきった辺りで彼らをパス、廊下へと降りてゆく。右上には尾根を上がるパーティも。この辺りからガスが一気に濃くなり、風も強まってくる。前を行く2人パーティは撤退を決めたようで、右手後方の尾根方向へルートを変更する。いよいよトレースもなくなり、ここで暫し思案する。廊下を直進するか、それとも崖尾根まで上がるかである。結論は、廊下は雪が深く重い感じだったので、強風には晒されるがラッセルからは開放される尾根ルートを選ぶ。コンパスを尾根方向にセットし、急斜面の深重ラッセルに耐えると崖尾根に出る。尾根を上がっていたパーティは廊下から撤退していくが、賢明な判断というべきだろう。途中、ハイマツの枝を掘りだしコースサインをつける。尾根上は予想通りノンラッセルとなるが、視界はせいぜい20メートル位なので、慎重にスキーを運ぶ。ただ、雪面はそれほどカリカリしておらず安堵する。背後に見える登山者の姿が何より心強い。 眺望ゼロの山頂 強風に抗すること15分で待望の頂上に到着する。山頂標識には雪が張り付き風雪の厳しさを物語っている。側の巨岩にも山名プレートが付けられているが、以前はなかったような気がするが‥。眺望は全く得られず、相変わらず風も強い。長居をする理由はなく、巨岩の裏側で風を凌ぎながらそそくさとシールを剥がし下山を開始する。直下の廊下が突き上げる辺りで、廊下ルートのパーティと尾根ルートのパーティに遭遇する。あろうことか、その前でスキーが何かに引っかかり転倒してしまう。バツが悪いことこの上ないが、開き直って、ゆっくり起き上がり雪面に座り込む。尾根ルートの登山者からラッセルを感謝される一幕も。コースサインを回収しながら下山するが、尾根パーティの大きくて鮮やかなデポ旗と、スノーシューの明瞭なトレースが有難い。山ではまだまだアナログ手法が効果的だ。Co1600付近まで降りると視界は嘘のように回復する。こからは往路に沿ってゆったりと滑り降りる。雪質は抜群で、腰までのパウダースノーを楽しむ。 間延びする印象 ただ、雪が深い分、平坦地ではスピード不足で時に下りラッセルとなる。正直、「やや間延びがする印象」は否めない。一段目上でショートランチを摂り、13時過ぎに下山を完了する。下山後は白銀荘でのんびりと湯に浸かり疲れを癒す。往復3時間40分ほどの山行で、さほど無理をしたとも思えないが、前日の日勝1445峰北斜面での滑りや、往路の運転もあり疲れていたのだろう。2階の休憩室で1時間ほどもうとうとしていたものである。そのまま白銀荘に投宿する手もあったが、満室のようなので、上富良野の市街まで戻り、日の出公園で車中泊する。結構着込んでシュラフに潜り込んだのだが、所詮、無雪期用のそれでは寒さに歯が立たなかった。夜中に何度もエンジンをかけてヒーターを全開にしたことは言うまでもない。これで、三段山は6回挑戦して3度ピークを踏むことが出来た。登頂率も50パーセントとアップしたが、森林限界を越えると、山は表情を変えることを改めて実感させられた山行だった。 |
■山行年月 |
2015.01.04 |
■天気 |
曇 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
積雪期登山 |
■コース:往路/帰路 |
白銀荘コース |
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