コースタイム | |
前日旭岳温泉CS幕営 | |
地点分岐等 | 時間 |
LW姿見駅 | 6:40 |
旭岳石室 | 7:00 |
山頂 | 8:40 |
所要時間 | 2:00 |
山頂 | 8:50 |
旭岳石室 | 9:30 10:10 |
裾合分岐 | 11:20 |
中岳温泉 | 11:55 12:20 |
裾合分岐 | 12:45 |
LW姿見駅 | 14:00 |
所要時間 | 5:10 |
総所要時間 | 7:10 |
20時30分自宅到着 |
42.旭岳(表大雪連峰/2290M) | ||
北海道の最高峰は濃いガスと雪に見舞われ期待した眺望は得られず | ||
北海道の最高峰の旭岳だが、ロープウェイ施設があることから、私達にはいつでも行けるハイキング程度の山というイメージが強く、これまで足を運ぶ機会がなかったが、沢シーズンも終わり、天気も良さそうなので行ってみることにした。 先ずは、ビジターセンターで山の情報を仕入れる。アイゼンやピッケルは必要ないとのこと。なんとか登れそうだが、気温が低いのが気になる。それにしてもこういう施設は実に便利であり、有効活用したいものである。温泉付近には所々に雪もあり、冬近しを思わせる雰囲気である。この日は麓の旭岳温泉キャンプ場でテント泊(水道施設の軒下を借りたので結構快適)。夜中に誰もいないはずのトイレに明かりがついたり非常ベルが鳴るというハプニングも。 翌日、絶好の行楽日という予報とは大違いで、山は厚い雲の中だ。麓のロープウェイ駅のモニターに映る山頂駅付近の様子もガスっている雪景色だけ。勿論、山の姿など映るはずもない。天気の回復を願いつつ、朝ニの便で上に向かう。10分ほどで山頂駅(姿見駅)に着く。身支度整え歩き出す。思っていたよりは暖かいが、雪で滑る遊歩道に「アイゼンを持ってくれば」と悔やむことしきり。姿見ノ池の右に再建間もない旭岳石室があるので立ち寄る。流石に立派だが、宿泊禁止というのはどうなのだろうか。単なる休憩施設ではもったいない気がする。ここに宿泊できれば山旅の楽しさも増すのではないかと思う。石室を後に、地獄谷を左に見ながら尾根を登る。既に何人もの人が登っているらしく踏み跡がついている。気温が下がっているようで、雪もサラサラしアイゼンを履く必要はない。時折明るくなるが、すぐに暗くなってしまう。上も悪いとみえて、何人もの人が途中から引き返してくるが、私達は迷うことなく登っていく。前を行く単独の女性をパスするといよいよ踏み跡もなく私達がトップに立つ。徐々に風も強くなりガスも濃くなってくる。視界が極端に低下してきたので、石につけられたコースサインの雪を払ったり、朱テープをつけたりしながらの登行である。石には立派なエビの尻尾が出来ており、厳しい風雪を物語っている。コースを東から北に大きく変えると頂上はすぐである。この辺りまで来ると、猛烈な風で雪も舞い上がり、吹き溜まりも出来ている。つい、方向感覚も鈍りがちになるが、後ろから2人の男性も上がってきており、力任せにラッセルしていくとほどなく平坦な頂上に到着する。強風で雲の流れは速いが切れる様子はない。当然ながら眺望など得られるはずもない。当初のプランは、ここから間宮に下り、中岳分岐から裾合平を辿りLW姿見駅に至るという縦走だったが、この天気では断念せざるを得ず、証拠写真を撮った後、即下山する。途中、上を目指す人達と行き違いになるが、口々に「上はどうですか」との問い。私達は「今はダメですが、頂上に着く頃には良くなるでしょう」と答える。突然、雲がスーッと切れスカッとした青空が現われる。足元から広がる大展望に思わず歓声をあげる。その度に足を止め、再び登ろうかという気分になるが、すぐに雲に包まれる。こんなシーンを何度か繰り返すが、結局、晴れ上がることはなく、40分ほどで石室まで下降してしまう。 あまりにあっけない山行の幕切れにやや欲求不満の私達。そこで、中岳温泉まで行くことに。膝が少し痛むが、標高差もさほどなく何とかなるだろうなどという楽観的な気分である。姿見ノ池周辺の喧騒に別れを告げ、静かな登山道を北東方向へ向かう。旭岳からの尾根をいくつか乗越すと文字通り平坦な裾合平だ。湿原の向こうに当麻岳、その右には奇妙な小塚山と大塚山が見える。分岐を右にとり、木道を歩く。滑りやすく行き交う人の中にはアイゼンを履いている人もいる。周囲の地形が平坦地から沢地形となり、石や岩が現われだす。そこを詰めると岩の向こうに湯気が立ち上がり露天風呂を見る。先に来ていた男性などは、私達がいるにもかかわらずさっさと裸になり入浴する。雲が舞い寒風ふきさらす中、決して気持ちがいいとは思えないが、条件でも違えば味わい深いものになるだろう。とにかく寒い。アウターの下にフリースを着込み、そそくさと食事を摂る。パンにコーヒーといったメニューだが、つくづく、暖かい飲み物がうれしい。帰路も往路を辿る。西方向には旭川方面の平野部が見えるが、山間部とは異なり陽が差し込んでいるのがわかる。一方、南西方向には雪を抱いた十勝連峰が見え、とりわけ富良野岳の形の良さに驚く。LW姿見駅に着くと、街中を歩くようないでたちの人達がどっと駅舎から池周辺に繰り出す。この時期の高山の雰囲気を楽しみたいのであれば、それなりの準備をすべきである。ここでゆっくり食事といきたかったが、新型ロープウェイも風には勝てないとみえて「風が強いので早めの下山を」とのアナウンスが。麓で味噌ラーメンをいただき空腹を満たしたものである。 天気にも見放され、生憎の山行となったが、思えば私達の心がけがいけなかったのかもしれない。どんな山にも意欲的に有難く登らせていただくという気持ちが必要なはず。「行く山がないから行って見るか」では山に対して失礼極まりない態度といわれても仕方がない。ただただ反省自戒しつつ、初心に返って山に対したいと思う。 |
■山行年月 |
2001. 9.30(日) |
■天気 |
曇時々雪 |
■同行者 |
静子 |
■山行形態 |
新雪期登山 |
■コース(往路/帰路) |
ロープウェイ姿見駅 |
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