58.斜里岳(知床山域/1547M) | ||
紅葉と女性達の賑やかさに心和ませつつ久々に斜里の頂きの人となる | ||
静子の職場の同僚、優子さんの希望で知床の名峰二座を登ることとなった。初日は斜里岳で弟子屈経由で清里町へ向かう。綺麗な朝焼けが正面に広がり、好天が期待できそうだ。が、峠を越え目にした斜里岳は頂上部に雲を抱えているではないか。それでも「上に着く頃は晴れるでしょう」と楽観的な私。6時前に清里コース五合目の登山口に到着する。 外は比較的暖かいが、清岳荘の管理人は「上は気温が低いので防寒対策を万全に」と話す。もとより承知の上、早速沢沿いの登山道を歩き出す。優子さんの体調や脚力に気を配りつつ、超スローペースでの登行である。それでも30分ほどで下二股に到着、先ずは順調な滑り出しにホッとする。左股は二の沢で沢コースとなっているが、いつかは遡行してみたいものある。さて、下二股からは連続する滝が現れ、飛び散る水しぶきを浴びながら登るのは何度来ても飽きない。つい「渓流シューズなら直登できたなあ」などと思ってしまう。優子さんのペースも安定し、ロープ場や鎖場も難なくクリアーしていく。左前方上部には祠のピークとそこから派生する岩稜状の尾根が雲間から見え隠れしている。上二股からは傾斜もきつくなり、胸突八丁などは苦しいところだが、前2回と比べると全くの余裕である。ガレっぽい急登に耐えきると、そこは吹きさらしの裸地馬ノ背で涼風が頬に心地よい。停滞していた雲も切れ始め、紺碧の青空と山頂も見えてきた。初秋のやさしい陽射しを受けながら、手前のピークを越え、小さな祠に安全登山を祈る。直下のガレ場を慎重に登るとそこは頂上、少しあっけない感じはする。遮るもののない眺望といきたいところだが、知床連山などは頂上部に雲がかかっておりスッキリとはいかない。それでもオホーツクの大地と大海原、鋭角的な南斜里岳や武佐岳、標津岳などは目にすることができ、この程度で満足すべなのだろう。最近設置されたようなケルン風の山頂標識を背にゆっくりくつろぐ。熟女達は持参の果物を先着していた若い登山者にふるまっている。ふと、斜里コースに目をやると、登山者が一人登ってくる。すざましい北壁の姿を見上げながら登高もまた味わいがあることだろう。 帰路は予定通り新道コースを辿る。絶えることなく満々と水を湛える竜神の池はやはり不思議な雰囲気を醸し出している。ここから起伏のある尾根道をのんびり40分ほど行くと熊見峠で、複雑な山容の斜里岳がよく見える。正しく展望台である。この日は熊見峠から頂上に立つ登山者の姿も見えたくらいである。ここから下二股までは樹林帯の急斜面で、笑いそうになる膝をコントロールしつつ下二股に降り立つ。あとは清岳荘までクールダウンしながら、翌日の行動について話す。心配していた優子さんは「疲れもなく体調も万全よ」と意欲満々である。予定通り羅臼岳に登ることを確認し、清岳荘を後にする。 ちなみに、この日の宿泊先は海別岳の麓に建つ「ウナベツ管理休養センター」。1泊2食温泉付で5000円也と、リーズナブルな料金設定はうれしい。一風呂浴びた後のビールの美味いこと |
■山行年月 |
2002. 9.13(金) |
■天気 |
曇のち晴 |
■同行者 |
静子 優子 |
■山行形態 |
無雪期登山 |
■コース(往路/帰路) |
清里旧道 |
清里新道 |
コースタイム | |
2時00分自宅出発 | |
地点分岐等 | 時間 |
清岳荘 | 6:10 |
下二股 | 6:40 |
上二股 | 8:10 |
馬ノ背 | 8:50 |
頂上 | 9:25 |
所要時間 | 3:15 |
頂上 | 10:25 |
馬ノ背 | 10:40 |
上二股 | 11:00 |
竜神の池 | 11:10 |
熊見峠 | 12:00 |
下二股 | 12:55 |
清岳荘 | 13:30 |
所要時間 | 3:05 |
総所要時間 | 6:20 |
海別管理休養C宿泊 |