コースタイム | |
8時「白滝GH」出発 | |
地点分岐等 | 時間 |
北見峠 | 8:25 |
アンテナ | 9:05 |
Co1258 | 11:15 |
所要時間 | 2:50 |
Co1258 | 12:00 |
アンテナ | 13:20 |
北見峠 | 13:40 |
所要時間 | 1:40 |
総所要時間 | 4:30 |
17時00分自宅到着 |
86.チトカニウシ山(道北山域/1446M) | ||
「ピークは遠い!」チトカニウシも吹雪でCo1258から撤退しました | ||
十勝連峰の三段山以来、どうも天気に恵まれない。前日の1445峰堀ゲレンデも吹雪で、山スキー2回目の静子に何とか良い条件をと願ったが叶うことはなかった。ま、アウトドアスポーツ(山スキーはスポーツではないと言う人もいるが)は常に天気との格闘でもあるのだが‥。さて、堀ゲレンデの報告を少々。北斜面に比べると雪質は良いとされているのだが尾根寄りの緩斜面には大きな吹溜りが出来、雪質もやや固そうである。一方、沢寄りの急斜面は相変わらずいい状態を保っているし、とりわけ、樹林帯のそれはパウダーそのもので、疎林の中を滑り降りる気分は山スキーの巧拙に関係なく最高である。樹林帯に降りる前に弱層テストをしてみると10センチと50センチほどのところに顕著な弱層が見つかった。特に、上部のそれは手首の力だけで剥がれ、結合状態は良くないようである。悪天もあったが、「長居は無用」とばかりにこの日は1本の滑降で切り上げ、翌日のチトカニウシ山に備えるべく白滝村目指して車を走らせる。途中の北見峠から目指すチトカニウシ山が姿を見せている。山容も中々良く翌日の山行に期待が高まる。この日は峠から20分ほど下ったところの白滝グランドホテルに投宿、翌日の山行に備える(贅沢ですね)。 翌3日、朝食後、早々に白滝村のホテルを出る。前日来の強風もおさまり青空も見えているが、峠の方に雲がかかっているのが気になる。規模の大きそうな北大雪スキー場を過ぎ、雲の中から顔を出す天狗岳や有明山を南に見ながら峠に向かうも天候は徐々に悪化、登山口となる北見峠は吹雪状態で視界は300メートルほど。勿論、山など見えるはずもないが、折角来たのだから行ける所までということで出発する。峠からやや西に下がった左カーブ付近から入山する。一旦、林道に降りた後、チトカニウシ山から南西に伸びる尾根に取付く。末端に小さな起伏が二つ。最初のは西側をトラバースし、次はコルから尾根の真上を行くが、風が強いらしく、雪が激しく波打ち(しかも固雪)立派な雪庇も出来ている。「下りも苦労するなあ」などと思いながら先を急ぐと大きなアンテナ鉄塔群が出現する。視界不良時などは最高の標識となることだろう。以降は比較的平坦な樹林帯歩きとなるが、初めての山に加え、意外と複雑な地形ということもあり頻繁に読図をしコンパスで方向を確認する。その示す方向を進むとそこにコーステープがあるという具合で、良く見るとコーステープは彼方此方に付いている(少々付け過ぎの感)。目安としては右手の沢を意識するくらいか‥。それにしても真白で柔らかい雪、きらきらと輝く樹氷、樹林帯の雰囲気は最高である。Co1000メートル付近を過ぎると傾斜が強まるが、斜面は木々も疎らとなりパウダースノー状態で、スキーヤーにとっては垂涎モノといえそうだ。天気は回復の兆しもなく、高度が上がるにつれ吹雪は激しく視界は更に悪化しているようだ。慎重なルートファインディングと悪天で予想以上に時間がかかってしまう。Co1258を当面の目標にラッセルを続けると、広かった尾根が狭くなり、木々も一層疎らで背が低くなってきた。上の方が明るくなりCo1258が近いことを物語っている。私のテンプラ高度計でも1265メートルを示しており、相棒に「どうやら1258に着いたようだよ」と声をかけ小雪庇を越える。遮るもののない尾根を一段と強い風が吹き抜け、雪も依然降り続いている。視界は100メートルほどで北東方向に見えるはずのチトカニウシ山の姿は見えない。雪庇の下まで降り暫く天気の回復を待つことにする。静子はと言えば、既にシールを外し下る用意をしている。「こんな悪条件で1258まで上がれただけでもラッキーで、上へ行くのは止した方がいい」とあっさりとしたもの。行こうとする私に止める静子、いつものパターンである。結局、45分ほど待ったが天候は好転しない。後ろ髪引かれる思いではあったが、ここから下山することを決断する(すこし大袈裟)。とりあえず、コンパスで滑り降りる方向を確認する。視界不良もあり、コーステープや登高時のスキー跡は見えにくい。東側の沢とCo1050付近から西に分かれる小尾根に入り込まないように気をつけてコースを取る。木々の間を大きくゆっくりとパラレル&シュテムターンで降りる。時々、ショートターンを試みるが長く続けることは難しい。静子は終始プルークボーゲンで安全第一を決め込んでいる。時折、若い娘のように「ワー」とか「キャー」とか黄色い声を上げ楽しんでいる。こういう姿を見ているほうも自然と笑みがこぼれてくる。この日彼女は3回ほどの転倒で済んだとのこと、少しは様になってきたようです。スキーに適した斜面はCo1000メートルくらいまでで、後は緩やかな登りもあるので、再度シールを付け直す。はじめはシールを着けずにヒールをフリーにして乗り切ろうと思ったが、これが辛いことこの上ない。シールの効果を実感しつつ、アンテナ鉄塔横を通過し、二つのコブを少し回りこむ感じでシールのまま滑り降り登山口へと向かう。 3回連続の悪天とCo1258からの撤退に落胆しつつも、悪条件の中、山スキーを楽しみ、雪に包まれた静かで美しい森に触れることが出来たのは喜びという他ない。 |
■山行年月 |
2004. 3. 3(水) |
■天気 |
吹雪 |
■同行者 |
静子 |
■山行形態 |
山スキー |
■コース(往路/帰路) |
北見峠 |
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