■山行年月 |
2004. 4.11(日) |
■天気 |
快晴 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
残雪期登山 |
■コース(往路/帰路) |
海別川・北西尾根 |
↑ |
コースタイム | |
0時15分自宅出発 | |
地点分岐等 | 時間 |
登山口 | 5:30 |
砂防ダム | 6:00 |
Co715 | 7:15 |
Co1155 | 8:40 |
稜線 | 9:50 |
頂上 | 10:15 |
所要時間 | 4:45 |
頂上 | 10:40 |
稜線 | 10:55 |
Co1155 | 11:05 |
Co715 | 11:30 |
砂防ダム | 11:50 |
登山口 | 12:05 |
所要時間 | 1:25 |
総所要時間 | 6:10 |
17時30分自宅到着 |
91.海別岳(道東山域/1499M) | ||
真白でたおやかな海別岳の頂稜からオホーツク海目指して大滑降 | ||
知床の山域に入るたびに気になっていた山、それが海別岳だ。長い頂稜とどっしりとした山容は魅力的で今回ようやく登る機会を得た。国道334号斜里町朱円から3キロほど東進し、海別川近くの林道に車を止める。この日の好天を保証するかのようにアルペングローに輝く(少し大袈裟か)斜里岳が見えている。高まる期待感を胸に歩き出すが、入山ポイントにはコーステープが付けられ、スキー跡やワカン跡もあり迷うことはない。若いカラマツ林を抜けると鹿避鉄柵があり、スキーを脱いで越える。起伏のない海別川右岸の林道を行くと砂防ダムが現われる。世界遺産に砂防ダムは相応しくないので撤去をなんて話もあったことを思い出す。尾根への取付きはCo450メートル付近だが、スキー跡は依然として海別川右岸に沿って伸びている。「この沢は解りやすい地形なのでどこかで左手の尾根に上がればいい」とアバウトに考え、スキー跡を辿るが暫く行くも尾根に上がる気配はない。徐々に左斜面が高く険しくなってきたのでCo550メートル付近から尾根に取付く。標高差にして60メートルほどなのだが傾斜もありガリガリのバーンなので神経を使う。結局、中間からはスキーを脱ぎキックステップを切りながらの登高となってしまう。上がった地点はCo715メートル付近で、西ピークから張出す尾根が広がり南西側に突出する場所である。すでに樹林帯は抜けており展望は一気に広がる。南西方向には黒い岩肌を露出する小海別岳、その奥に斜里岳、西側には大地が広がり道路が直線的に伸びる。緩やかに右に湾曲する海岸線とオホーツク海、そして、北から東にかけては真白な斜面が広がり、その先に西ピークを望む事が出来る。一息入れ登高再開である。緩斜面が続き雪質もパウダーで復路の滑りが楽しみである。美しい樹氷を付けた潅木に見とれつつCo1155pを目指すが、徐々にハイマツの小モンスター群が現われ、その間を縫うように上がっていく。1155pは左側を巻くように通過、西ピークまではスキーで上がっていけそうなのでそのまま登っていく。稜線直下まで上がると風が強くなり、稜線では僅かに雪も舞っている。フリースの中間着の上に薄手のアウターを着込んで丁度いい感じである。小さなコースフラッグにも立派なえびの尻尾が出来ている。4月半ばといえども風雪は厳しいようだ。下を振り返ると登山者の姿が見える。好天の日曜日とくれば当然ともいえるだろう。稜線まで上がると風は一層強くなるものの、北東から東側にかけての展望が広がる。遠音別岳を前に白く聳える羅臼岳、青き大海原の奥には国後島の爺爺岳と羅臼山も顔を出す。そして足下に広がる知床の山々、自分が半島の中心軸に立っていることを痛感する。スキーはここにデポし、アイゼンを履きピッケルを手に西ピークから本峰に向かう。比較的幅広い稜線で雪もクラストしていないがズボズボ埋まるほどでもない。遠くに見えた本峰だったが、コルからの登り返しもさほどでなく20分ほどでその頂に立つ。とにかく風が強いので写真を撮ったら即下山と思っていたが、景観に見とれていたと言うべきか気がついてみれば25分も経過していた。復路、西ピークへ戻る途中で本峰へ向かう登山者と行き違いになる。手にはしっかりスキーを持っている。コルまではスキーで降りているのだが、最も張出ししかも薄い雪庇上にスキー跡があったのには驚いてしまった。スキーデポ地まで戻ると4人パーティと遭遇。簡単な挨拶の後、滑降を開始する。最初は尾根の南側を行き、途中から大きく北側の浅い沢に逃げ込む。ハイマツは姿を消しようやく滑りといえる状態になるが、吹溜りとガリガリバーンが交互に現われ雪質が一定しない。それでもCo1155pの北側を過ぎた付近からは大ゲレンデに降り積もったパウダー新雪といった感じの中を滑り降りる。オホーツク海目指して思い通りのシュプールを雪面に描く。私ですらスキーが上達したような気になるなんとも楽しく嬉しい瞬間でありました。尾根から沢への降下ポイントは、往路に辿った沢の疎林が捨てがたく、Co715pからそのまま下ることにする。しかし、陽のあたる雪面は雪が腐りスキーにブレーキがかかり、日陰は摩擦係数が低下するという繰り返しで、とりわけ、沢中の緩斜面はバランス良く滑るのが難しく苦労する。それでも木々の間を滑り抜ける楽しさは格別である。やはりありました、私が往路で見逃したCo450p付近の尾根取付点が。コーステープも付けられワカン跡もはっきり残っているのにどうして気づかなかったか不思議なくらいである。GPSもピタリとその位置を特定していたのだが、私の場合、常にGPSを見て行動するということはなく(ホワイトアウト時や視界不良時等は別として)、アップしたルートと実際の行動軌跡を後で比較照合することのほうが多い。「現在位置さえ特定できればあとは自由に野山を駆けめぐる」こんな山行が私の理想なのだが、今回の場合、大雑把で正確に地形図を読みきっていなかったという点では反省しなければならない。 それにしてもこの海別岳、眺望も素晴らしくスキーまで楽しめる。強欲な私を満足させてくれる数少ない山で、睡魔と闘いながらの夜中のドライブも苦にならないこと請け合いである。 |