コースタイム | |
地点分岐等 | 時間 |
日勝峠駐車場 | 7:55 |
日勝P東コル | 9:00 |
ペケレベツコル | 9:30 9:45 |
頂上 | 11:25 |
所要時間 | 3:30 |
頂上 | 11:35 |
ペケレベツコル | 12:10 12:25 |
日勝P東コル | 13:35 13:50 |
日勝峠駐車場 | 14:05 |
所要時間 | 2:30 |
151.ペケレベツ岳(北日高/1532.0M) | ||
辛い登り返しはあるものの快適パウダーの北西斜面を滑らない手はない | ||
ペケレベツ岳は無雪期(2002年10月)に訪れているが、積雪期は一度もその頂を踏んでいない。アプローチが良いこともあり、登頂は容易と考えていたのだがこれが意外にも難しい。今まで3回ほどペケレ狙いで日勝峠を出発するも、荒天でいずれも日勝1445峰から敗退を余儀なくされている。 今回も天気は下降傾向にあるが、モチベーションはいつになく高い。そのことだけに期待しつつ高速飛ばして日勝峠に向かう。 天気は時々薄日もさすが、基本的には曇だ。ただ、雲は高く遠望は充分に利くし風もあまり無く比較的暖かい。しかし、早ければ昼過ぎにも崩れる可能性もあり楽観は出来ない。「午前中が勝負」と判断し最初から飛ばす。北斜面の東側を直線的に上がっていく。雪質はクラストしていたり、パウダーだったり一様ではないが思ったよりはいい。今回のルートは1445峰を経由せず、東コルから直接ペケレベツとのコルに下りることにする。疎林を抜けると適度な斜度の東バーンが広がっているが、雪質は残念ながらもなか雪。バリバリと音を出しながらスキーは滑っていくが、操作は困難を極める。こんな雪質ならどんな人だって上手く滑られるはずはない、そんな思いを確信させるような雪に悪戦苦闘する。連続ターンなど出来るはずもなく、斜滑降・山回ターンの連続で何とかコルまで降りる。シールを再び履き小沢を渡る。いよいよペケレベツ岳の北西斜面に取り付く。この斜面、上から見た限りでは肩まで疎林が続く。問題は雪質だが、これが素晴らしくいいのだ。北斜面で、風も穏やかなことが快適なコンディションを生み出しているようだ。針葉樹の林をゆっくりと上がっていく。ラッセルはせいぜい15センチほどなのだが、たとえパウダーといえども辛い。ジグを切り一登りすると植生は潅木帯に変る。高度にすれば1250メートル位だろうか。背後には1445峰や沙流岳も望めるようになる。初めてのアングルはやはり新鮮味がある。ただ、斜面は北風をまともに受けるようで、雪面は波うち硬くなってくる。喘ぎながらようやく肩まで上がると、隠れていたピークが南側に顔を出す。高度差は80メートルほどでダラダラとした登りである。尾根には大きなシュカプラができ、東側には雪庇も張出している。加えて、尾根付近の雪は一部氷化しているところもあり気が抜けない。尾根上を避けやや西側にルートをとると、何日か前のトレースが現れる。コースサインがある訳ではないが、辿るルートはみんな同じのようだ。それまでなんとか持ちこたえていた天気も小雪が舞いだし、沙流岳はおろか1445峰さえも見えなくなってしまう。山の天気は平地よりも幾分早く進むようだ。3時間30分で待望のピークに立つが、山頂標識がしっかりと出ていたのは意外だった。強風が雪を飛ばしてしまうのだろう。ベールを纏ったような周囲の景観、十勝平野もボンヤリと霞んでいる。のんびりランチタイムとでも思うが寒くてそれどころではない。写真を撮った後、シールを付けたままそそくさと下山を開始する。 肩まで降りてシールを外す。待望の滑りは、上部の硬い斜面では斜滑降やギルランデで降りるが、もなか雪よりは滑りやすいと思う。パウダーゾーンでは、コーステープ回収が面倒になるほど滑りが楽しめたということだけ付記しておこう。コルの小沢を渡り一息つく。雪はやみ薄日もさす全く穏やかな森の中、なんとなく落ち着いた気分になれる。辛い登り返しに備えてホットコーヒーで行動食を流し込む。心配なのはシールのつきだが、気温が高いせいか問題は無い。シールを固定してしまうショートバンドも用意したが出番はなさそうだ。滑りには最悪のもなか雪も、シール登高には都合がよい。スキーが沈まず効率的に高度を稼ぐことが出来る。中腹まで上がると、そこかしこにトレースが現れる。宴の後のようでもあり、田舎から都会へ出てきたような気分でもある。1445峰東コル方向へ向かう一番確かなトレースを拝借する。コルまで上がってしまうと、後は勝手知ったる北斜面、上部は東側沢寄り斜面、中腹からは西側樹林帯を滑り降りる。トンネル上部まで戻ると、駐車場には私の愛車1台が寂しげに止まっているのが見える。「今回も無事に下山できた」という思いを実感する瞬間である。 私の下山を待っていたかのように山は雪に包まれる。「いい時に上らせてもらった」ことを感謝しつつ帰路につく。 |
■山行年月 |
2007.02.27(火) |
■天気 |
曇後小雪 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
山スキー |
■コース(往路/帰路) |
日勝峠 |
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