初代ソアラZ10系 1981debut | 2代目Z20系 1986debut |
3代目Z30系 1991y.debut | 4代目Z40系 2001debut |
1980年、大阪国際モーターショーで参考出品されたトヨタEX-8が翌年2月に「ソアラ」として市販化される。所謂、Z10系の登場である。コンセプトは「卓越した動力性能および操縦性と高級サルーンの快適性を合わせ持つGT」とされた。パワーユニットは、2.8L直列6気筒DOHCの5M-GEU型で、170PS/24.0kg-mを発生する。直線を基調としたそのスタイルは空力的にも優れ、四輪独立懸架、マクファーソンストラット(F)+セミトレーリングアーム(R)のサスペンション、ワイドトレッド、四輪ディスクブレーキ等とも相まって、高い運動性能を発揮した。ゴージャスなインテリアと先進的な装備、車としてのハイレベルな基本性能と高質感を得たソアラは「スペシャリティカー」として特別の地位を築くことになる。
1986年1月、ソアラは2代目モデル(Z20系)へと進化する。初代Z10系で築き上げた地位をより高次元へと導くべく優雅さとスポーティさに磨きがかけられた。パワーユニットは新開発のエンジンを搭載した。主力となる7M-GTEU型は3L直列6気筒DOHC24バルブ、空冷式ターボチャージャー装着で230馬力を発生した。サスペンションは、四輪ダブルウィッシュボーンを採用したほか、電子制御エアサスペンション搭載車も用意された。また、ブレーキでは、新設計の電子制御式四輪ESCを設定。89年のマイナーチェンジでは、世界初の電動折りたたみ格納式メタルトップルーフを持つ3.0GTエアロキャビンを限定発売している。エクステリアでは三次曲面ガラスの採用でボディとガラスの面一化が図られている。
1991年5月に発表された3代目ソアラ(Z30系)の開発コンセプトは「ロマンと先進性の追求」。スタイルはフロントからリヤデッキにかけての曲面構成が大きな特徴で、躍動感と美しさを合わせ持つクーペスタイルを創出している。ロービームから独立させた丸型ハイビームの異形4灯ヘッドライトも外観上の特徴である。パワーユニットは、1UZ-FE型(4LV型8気筒)とスポーティ走行を可能とする1JZ-GTE型(2.5L直列6気筒ツインターボ)の2種類が用意された。サスペンションはダブルウィシュボーンと電子制御エアサスペンション(4.0GTリミテッド)が採用される。2.5GT-TツインターボLにはピエゾTEMSを搭載し減衰力を調整した。更に、4WSや4輪ABS、TRCなど安全性も高レベルで実現した。このほかに、エレクトロマルチビジョンやGPSナビゲーションシステム等のハイテク装備も与えられた。折りしも世はバブル全盛時、当時の先進性の粋を集めてつくら3代目ソアラは正にその申し子ともいうべき車であった。2度目のMCではVVT-i(連続可変バルブタイミング機構)が1JZ-GTEに採用され、より進化することとなる。
2001年4月に4代目ソアラ(Z40系)が登場する。開発のキーワードは「ジュエル・オブ・プレステージ・コンバーチブル」。宝石のように人々を魅了する流麗なスタイル、アルミ製の電動メタルトップはその象徴とも言えるだろう。エンジンは3UZ-FE型(4.3LV8DOHC32バルブ、280PS/5600rpm、43.8kgm/3400rpm)でトヨタの最新技術の結晶といえる。サスペンションは4輪Wウィシュボーン、240/40ZR18サイズのロープロファイルランフラットタイヤの装着と足回りも申し分ない。インテリアもソアラのハイライトで、本革内装、ヒーター付電動本革シート電動ウッドパネルドア付エレクトロマルチビジョン&DVDナビケーション等々、全てにおいてゴージャスである。燦燦と輝く太陽の下、フルオープンで爽快に風を楽しみながらのクルージング、新型ソアラにはそんなシーンがぴったりである。
ちなみに、ソアラは2005年7月に高級車「レクサスSC」として再デビューし、ソアラの車名を新車に見出すことは出来ない。寂しい限りである。
■フロントサスはマクファーソンストラット
■リヤサスペンションはセミトレーリングアーム
■当時としては斬新な液晶デジタルメーター
■TEMSシステムの状態をリアルタイムに表示する
■新開発の7M-GTEU型。3L6気筒DOHC24Vで230PSを発生。
■運転席周辺(右)とレザーシート(左)。
■ハイアングルからの写真。丸みが強調される。
■2.5GT-Tのエンジンルーム。ツインターボ付。
■シンプルで機能的な運転席周辺。
■エンジンルームの中心は勿論、3UZ-FE型エンジン。
■ゴージャスな室内。3連独立メーターが嬉しい。
■収納されるアルミ製のメタルトップ。