■ドキュメント足回りチューンナップ&インプレ |
迷った挙句コンフォートスポーツに 動力性能、装備、スタイルに関しては文句のつけようがない40soarerだが、足回りはやや軟弱で頼りない印象がある。勿論、通常走行でストレスを感じることはないのだが、高速やワインディングなどでは時折その挙動に不安を覚える。フワフワ感やルーズなハンドリング、そしてロールなどである。だからと言って、ガチガチに固めるのは全く似合わない。soarerには優雅で余裕あるドライブシーンがベストマッチで、基本的には純正ベースのソフトセッティングが正解だと思う。顕著なローダウンを伴うことなく、僅かだけ足回りを固める、そんな私の要求を満たしてくれると期待して(信じて)チョイスしたのが車高調である。他車の流用は別として、40soarer対応の車高調は少ないので、選択肢は限られてくる。トムスの「アドヴォクス」かテインの「コンフォートスポーツ(CS)」かである。純正をやや硬くしたのがCSで、それより硬いのがアドヴォクスである。狙いは最初から後者のアドヴォクスだったが、低温時や低速走行時の異音が気懸かりだった(カタログ明記)。「コンコン」や「シュルシュル」程度ならまだしも、壊れているような音を発生する場合もあるらしい。個体差もあるらしく、全てが同じでもないというのも厄介だ。一方の、CSはリーズナブルで、車内から減衰力調整が可能なEDFCシステムを採用(オプション)している。何より、バネレートの味付けが純正に近いのが魅力だ。どちらも保証付で(CSはプラス「固着保証」)、OH・仕様変更にも対応している。迷いに迷った挙句、テインのCSに決める。アドヴォクスは、38万円も出して異音発生では耐えられそうになく、ネットインプレなどでも高評価のCSのコストパフォーマンスに期待というところである。 高いゾCSのコストパフォーマンス 高速およびワインディングの走りっぷりにも触れておこう。 16段調整を使いこなすのは難しい 減衰力については、16段調整モードを実際に使いこなすのは至難の業と思う。1段ごとの変化を体感するのはとても難しく、全体の調整幅も意外と狭い。むしろ、16段を4段から5段くらいに集約したほうが現実的だ。「0」段が最も減衰力が高く(硬い)、「16」段が最も減衰力が低い(柔らかい)という設定で、ちなみに、現在の使用レンジは、前後共、街乗り「8」、高速「3」、峠「5」レンジにセットしている。あと、徹底的にゆったりという時は「12」である。いずれにしても、前後の変化も加えると、セッティング数は膨大であり、全体のバランスを優先しつつ、大きな括りでの設定とならざるを得ない。 EDFCで車内から瞬時の調整可能に EDFCは、車内から自由に減衰力を調整できる優れモノである。あらゆるドライブシーンを満足させるオールマイティなセッティングなどあり得ない訳で、状況に応じて瞬時に減衰力を調整出来るのは魅力である。これがなければ、わざわざボンネットを開いて調整しなければならない。ただ、コントローラーはコンソールの右サイドに接着剤で装着したのだが、コントローラーそのものの重量に加え、ケーブルの反発力ですぐに落ちてしまうのだ。あちこち穴を開けるのも気が進まないので、より強力な接着剤で固定する。今のところ問題はないが、接着剤が軟化する夏場が心配だ。蛇足だが、保証について少々。購入・装着で自動的に保証が付くのかと思ったら全く違ってた。購入者がテイン社に申請しなければならないのだ。それも、車の詳細なデータやショップの作業指示書などが必要で、これが結構面倒なのだ。ま、重大事故や深刻なトラブルに波及する場合もあることを考えると、慎重にならざるを得ないのもわかるが‥。 ブレーキチューンで全域で太い制動 ブレーキパッドとブレーキラインの交換だが、パーツの入荷が遅くなり、日を改めての交換となった。こちらはアライメント調整を含め、5時間ほどで完了した。30ソアラでは制動力が格段にアップしたが、40ソアラではどうか。40ソアラは前モデルほど貧弱なブレーキではないので、劇的な効果はないものねだりである。が、中高速からのブレーキングで感じた小さなジャダーや繊細感は完璧に解消された。低速から高速まで瞬時に太い制動が体感できたのは驚きだった。パッドのローターへの当りが強い分ジャダーの発生が心配だったが、その不安も杞憂に終わり安堵の胸をなでおろす。実のところ、ローターの交換も視野に入れていたのだ。費用対効果を考えると、効率的でお手軽なブレーキチューンといえるだろう。 |