コースタイム | |
駐車帯 | 8:10 |
八合目 | 10:25 |
雌阿寒岳 | 11:05 |
所要時間 | 2:55 |
雌阿寒岳 | 11:10 |
剣ヶ峰 | 11:45 |
駐車帯 | 13:10 |
所要時間 | 2:00 |
■山行年月 |
2020.12.06(日) |
■天気 |
晴時々曇 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
新雪期登山 |
■コース:往路/復路 |
阿寒湖畔夏道C |
同上 |
495.雌阿寒岳(阿寒山群/1499M) | ||
湖畔コースで阿寒山群の素晴らしさ体感もハイマツのトンネルで苦戦 | ||
雌阿寒岳は今まで7回ほど登っているが、そのほとんどは登山を始めた頃で、コースも野中温泉ルートが圧倒的に多かった。季節を問わず、アプローチの良さがその最大唯一の理由である。久々の雌阿寒岳はまだ歩いたことのない「阿寒湖畔コース」に決める。今なら、林道奥まで車で入れるだろうとの読みなのだが、これがズバリ的中。国道からウグイ川沿いの林道を5キロほど走ると、右側に雌阿寒岳に向かう登山道を見る。林道側の駐車帯には車が一台。登山者の車かと思いきや、直ぐに去っていった。日和ったか、それとも、単なる様子見か‥。予定より10分ほど遅れてほぼ冬装備でスタートを切る。歩き始めてすぐにアウターグローブを忘れたことに気づき戻る。危ない危ない。800メートルほど行くと「頂上まで5.5キロ」との表示。以降、針葉樹の森を緩やかに高度を上げてゆく。一合目過ぎ辺りで今度は地形図を忘れたことが発覚。30分も歩いた後ではどうしようもない。GPSにルートが入れてあるので何とかなる、と考えることにする。雪はサラっと積もっている程度で登行に支障はない。木の根が張り出したりはするが実に歩きやすい登山道で、500メートル毎に合目が刻まれている。合間12~13分のペースで三合目まで上がる。沢地形となり、前方に鋭い槍が見えてくる。どうやら剣ヶ峰らしい。中々の迫力でテンションも上がってくる。が、周囲の植生がハイマツに変わると、それが登山道を覆うようになる。登山道はハイマツのトンネル状態となってしまう。潜ったり、強引に突破したり試行錯誤するも、結局は、四つん這いで中を行くのが最もスピーディということがわかる。途中、右手斜面の裸地から煙が上がり、硫黄臭もする。火山エリアであることを再認識する。Co1020付近では北側が開けフップシ岳が姿を見せる。五合目まで上がると剣ヶ峰にグーンと近づく。容の良さが更に際立つ。所々にビューポイントはあるものの、基本的に六合目過ぎまで、1.5キロほどはハイマツとの格闘だ。途中には下に向かう羆の大きな足跡を見る。この積雪量ではまだ冬眠できないだろう。剣ヶ峰の南斜面でようやくまともに二足歩行となるとペースも上がる。背後には雄阿寒岳と阿寒湖も望めるようになる。何度見ても絵になる景色だ。剣ヶ峰分岐(八合目)まで上がると西側の眺望が大きく開ける。灌木類は一切なく、火山特有の荒涼とした砂礫地が広がっている。ルートとなる尾根筋には小さい起伏があり、その奥左は阿寒富士だ。西側から見ると端正な山容だが、東側は大沢が大きく口を開け荒々しい印象だ。その右に筋状に山襞を延ばす雌阿寒岳が大きな山容を見せる。噴煙で輪郭はややぼやけている。手前右には平坦で広い火口が広がり(中マチネシリ火口)、西端の噴気孔から白煙が上がる。強風や雪が付けばイヤラシイ尾根だが、風も弱く穏やかな天気が有難い。急登らしい急登もなく雌阿寒岳の外輪山まで上がる。立派なエビの尻尾をつけたコース標識が迎えてくれる。そこには、今日のものらしい登山者足跡も左下に向かっている。阿寒富士かそれとも素直にオンネトーコースを下るのか‥。そこから10分登ると頂上で、流石に風は強くなる。その分、ガスは切れるようで、大きく深い頂上火口も視界のもとなる。火口壁は凄みを帯び、赤沼上部の噴気孔から激しく噴煙を上げる。一方、青沼側から上がるそれはやや穏かに見え、阿寒富士とのバランスもいい。寒いので証拠写真を撮りそそくさと下山を始める。足首が痛むので雪の多いところを選んで尾根筋に乗る。剣ヶ峰分岐まで戻ると、荷をデポし剣ヶ峰まで上がってみる。穏かな高みの奥の岩場まで足を延ばす。下から見るほど狭くはない。間違いなく、雄阿寒岳と阿寒湖の絶好の展望台ではある。六合目付近からのハイマツ試練。登行時よりはやや楽が出来たものの、何度も頭を枝にぶつけてしまう。火山対策ということで被ってきたヘルメットが意外なところで役に立ってくれた。三合目からは登山口までの残り距離を確かめながら下る。一合目で「登山口0.5キロ」と出る。しかし、500メートルほど降りたところ(Co775)には冒頭記述の「頂上まで5.5キロ」の表示があるだけ。ここに至って、ここが登山口であることを思い知る。林道側の歩道入口が登山口と思っていたので(登山ポストもあり)、落胆しながら10分歩き車に戻る。実際の所、頂上までは6.3キロほどの距離となる。以前は登山口まで車が入れたのかもしれないが、少々不親切な案内で、後味が悪い登山となってしまった。 いささか、枝葉末節に拘ってしまったが、湖畔コースの評価には全く影響を与えない。阿寒山群を一座単位で見ると平凡だが、まとまると、魅力は格段にアップする。少し大袈裟かもしれないが、量から質への転化といったところだろうか。その山群全体が視野に入り、変化に富んだこのコース。阿寒山群の素晴らしさを最も実感できるといっても過言ではない。勿論、これは私の個人的な印象ですが‥。 |