■山行年月 |
2021.02.03(木) |
■天気 |
雪 |
■同行者 |
単独 |
■山行形態 |
新雪期・山スキー |
■コース:往路/復路 |
西尾根 |
同上 |
コースタイム | |
道道1088 | 6:30 |
Co885 | 8:30 |
沢源頭 | 11:05 11:35 |
Co1230 | 12:10 |
所要時間 | 5:40 |
Co1230 | 12:20 |
Co885 | 13:55 |
道道1088 | 15:15 |
所要時間 | 2:55 |
502.北ペトウトル山(東大雪/1400.9M) | ||
複雑な地形克服し頂上尾根に上がるも地吹雪で視界開けず無念の敗退 | ||
東大雪の北ペトウトル山は、ヤンベツ川支流東面沢を遡行し北峰に上がったことがある(2004年6月)だけで、三角点のある南峰に登った事はない。同じ稜線上で南に位置する1414峰(通称:ペトウトル山)山行の際に足を延ばすことも計画したが、文字通り計画倒れに終わってしまった。私にとっては奥深く遠い山だが、今回、比較的距離の短い西尾根を登路に頂上を目指すことにした。 士幌市街を抜け道道1088号に入るといきなりの風雪模様だ。然別温泉分岐を過ぎるとそれは一段と強まってくるが、この日の鹿追町の天気予報は晴マークで降水(雪)確率0パーセント。次第に好転すると考えているので不安はない。菅野温泉手前3キロ強地点(Co620)、西尾根末端が登山口となる。右ヘアピンを回り切った付近の待避スペースに車を止める。そそくさと準備し雪が舞う中スタートを切る。やや樹木の混んだ斜面を登り尾根の背に出る。心配した風もなく順調な出だしだが、倒木処理などでロスが生じる上に、複雑な尾根地形なので地図読みに気を遣う。ラッセルはブーツ丈程度。少し重いので時間の経過ととも効いてくるだろう。1時間でCo750まで上がり、そこからは作業道を使う。左手、対岸のCo936がボンヤリと浮かぶ。が、作業道は350メートルほどで突然無くなり、急斜面にジグを切って尾根に上がる。入り組んだ地形なのでその背を淡々と歩くというシーンはあまりない。時には沢地形にルートをとったりしてCo885の土場らしき場所に出る。ここまで2時間は上出来だが、天気の方は好転の兆しがない。ここからは左手に伸びる作業道に惑わされてしまった。尾根を時計回りに回り込んで高度を上げてゆく、そう予想して辿ったものの我慢できなくなり、途中から予定ルートに戻る。Co970付近で右手の沢方面へ向かう明瞭な作業道に出合う。これは地形図Co955付近を終点とする林道と繋がっているのかもしれない。以降も作業道が交錯しその取捨選択がポイントとなる。明らかに尾根に沿って伸びているものだけを利用することにし、あとは機械的に東進する。グチャグチャだった地形もCo1000近くから少しだけスッキリとしてくる。特に、沢形を挟んで右手の尾根が壁の如く高さを見せる。天気は崩れる感じはないが、相変わらず小雪が降りつづいている。これだけなら何とかなるが、悪いことに強い風が付いてきた。次第に尾根幅が収斂してくる。右手、やや沢寄りにルートとり尾根派生点(Co1105)に出る。ここに古びたピンクテープが付けられていた。途中でも何度か目にしたので、冬場のルートとなっているのだろう。なお、Co970辺りからCo1100付近までは作業道を登路とした。尾根派生点を過ぎると沢源頭風景が広がる。不思議な地形に戸惑ってしまう。Co1020で予定の沢ルートを離れ、左手の広々とした急斜面に向かう。樹木が混んだ前者よりは登りやすそうだし、時間的には僅かな違いでしかない。白い斜面の上の尾根の背も指呼の距離となったが、猛烈な風が吹き出してきた。ウエア類は三層レイヤードの厳冬仕様だが、それでも寒い。体感的には優にマイナス20度以下で、2019年ニペソツ以来の感覚だ。巨木で風を凌ぎながら厚手の中間着を一枚追加しフェイスマスクもする。ついでに行動食も摂る。轟轟たる風音、揺れる樹々、舞い上がる雪煙‥。正直、ヤバそうな状況なので、撤退を決める。ところが、シールを剥がし下降準備を終えると、微かに明るくなってきた。こうなると、僅かな望みにかけるしかない。急遽、登行を再開する。急斜面にジグを切り尾根まで上がる(Co1220)。尾根に出ても視界は開けず、強い西風が沢から吹き上げてくる。天気も元の木阿弥状態でピークもガスの中に隠れている。テンションが一気にダウンする。尾根地形は顕著であり、針広の植生もある。ある程度、見通すことが出来れば無理もできるがそれがない。加えての強風ではリスクが高すぎる。時間的には1時間もあれば最高地点の北峰に立てるだろうが‥。せめて、Co1240まではと思ったがあまり意味がない。残念だが、次のチャンスを待つことにし、Co1230から撤退することにする。 気合を入れての挑戦だっただけに敗退は辛いが、一筋縄ではいかない尾根下降が待ち受けている。気持ちを切り替えリスタートを切る。おおむね、登行ルートを辿るが、出来るだけ直線的に下る。シールを付けるまでの必要はないが、登り返しも数知れず。雪が締まってくれば滑走性も高まり、それも解消できるだろう。ラストは尾根の背から忠実に道路に降りたが、右手の浅い沢形を降りたほうが良かったかもしれない。倒木はあるが、狭く急な尾根よりは労力を使わなくて済む。予想通り、下降もそれなりのハードワークとなり、ほぼ3時間を要して車に戻る。 撤退点までの沿面距離は往復13キロ弱。三角点のある南峰までならプラス2.5キロほどだろうか。今回の様な条件でも、天気が良ければ充分に日帰り可能な山だ。尾根形状は複雑ではあるものの、大きな起伏と言えば北峰、本峰間くらいで、総じて順調に高度を稼げる。累積獲得標高も850メートルほどで、数字的には難しさを感じない。だが、状況によっては厳しい登山となる。拍車をかけるのが複雑な地形で、地形図とGPSを連動させながらの登山が賢明だ。私の印象ではサクサク上がれるようで上がれない山。もう1時間ほどは早立ちしておく必要があった。次回に生かし捲土重来を期したい。 |